はやく焼き尽くされて荒野になってしまえばいいのに
さよならだとは思っていない
白い息が出なくなった
晴れの日が多くなった
心地のよい風が吹いた
そっと、桜の花びらが舞ってきた
芽が出た
足元の世界
凍える季節をやり過ごして
また命を光らせる
もう会えないとわかっているのは
移りゆく季節のせいじゃなくて
きっとそれは
私とあなたの問題なのだと
あなたをずっと見てきたからわかる
たぶん、二度と会えない
それでも
さよならだとは思っていない
さよならだとは思いたくない
これでさよならだなんて
私には到底思えない
何度でも咲く桜のように
何度でも芽吹く緑のように
あなたへの思いは
これからも息を吹き返す
はやく
焼き尽くされて荒野になってしまえばいいのに
2020-08-08 by
関連記事
コメントを残す