はやく焼き尽くされて荒野になってしまえばいいのに

さよならだとは思っていない

白い息が出なくなった
晴れの日が多くなった
心地のよい風が吹いた
そっと、桜の花びらが舞ってきた

芽が出た
足元の世界
凍える季節をやり過ごして
また命を光らせる

もう会えないとわかっているのは
移りゆく季節のせいじゃなくて
きっとそれは
私とあなたの問題なのだと
あなたをずっと見てきたからわかる

たぶん、二度と会えない

それでも
さよならだとは思っていない
さよならだとは思いたくない
これでさよならだなんて
私には到底思えない

何度でも咲く桜のように
何度でも芽吹く緑のように
あなたへの思いは
これからも息を吹き返す

はやく
焼き尽くされて荒野になってしまえばいいのに

by
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!